キムチのおいしい食べ方と、漬かり具合の見分け方
「買ったときはおいしかったのに、後半になると酸っぱくなってしまう」——キムチでよくあるお悩みです。じつは酸味が出るのは傷んだからではなく、発酵が進んだしるし。漬かり具合ごとに向く食べ方を知っておくと、最後のひと口までおいしく食べきれます。大阪・鶴橋でキムチを漬けている私たちが、見分け方と使い分けをまとめました。
キムチはどうして酸っぱくなるの?
結論から言えば、乳酸発酵が進むからです。キムチは、白菜などの野菜を塩漬けにし、唐辛子・にんにく・魚介の塩辛などを合わせた薬念(ヤンニョム)とともに漬け込んだ漬物で、漬け込みのあいだも発酵が続いています。発酵が進むほど酸味が強くなり、味わいが変わっていきます。
つまり、届いたその日と2週間後とでは「別の食べ物」といっていいほど表情が変わります。悪くなったのではなく、育っている——そう考えると、後半のキムチとの付き合い方が変わってきます。
漬かり具合は3つに分けて考える
いちばん分かりやすいのは、味と見た目で3段階に分けることです。
- 浅漬け(届いてすぐ〜数日)…野菜のしゃきしゃき感が強く、辛みと甘みが前に出ます。酸味はほとんどありません。
- 食べ頃(数日〜1週間ほど)…酸味がほんのり出て、旨みと辛みがなじみます。いちばん「キムチらしい」と感じる時期です。
- 酸味が出た頃(それ以降)…酸味がはっきりし、汁が濁ってくることもあります。生で食べるより加熱向きです。
進み方は温度と時間に左右されます。冷蔵庫の奥(温度が低い場所)に置けばゆっくり、扉の近くなら早く進みます。「早く食べ頃にしたい」「ゆっくり楽しみたい」で置き場所を変えるのも手です。
浅漬けのうちは、そのままで
最初の数日は、余計なことをしないのがいちばんです。器に移して、まずはひと口。野菜の歯ごたえと、薬念の香りをそのまま味わってください。
ごはんにのせる、冷ややっこにのせる、きゅうりと和える——素材の食感が生きる食べ方が向いています。ごま油を数滴たらすと香りが立ち、少しだけ表情が変わります。
食べ頃は、ごはんと一緒に
酸味と旨みがなじんだ時期は、白いごはんといちばん相性がよくなります。刻んで混ぜたおにぎり、卵かけごはんに少量、韓国のりと一緒に巻く——といった食べ方が定番です。
お酒に合わせるなら、チャンジャと並べて少量ずつ小皿に盛ると、辛さと塩気の違いが楽しめます。
酸味が出たら、火を通す
ここからが本番、という言い方もできます。酸味の立ったキムチは、加熱すると角が取れて旨みに変わります。
- 豚キムチ…豚バラと炒めるだけ。仕上げにごま油をひと回し。
- キムチチゲ…豚肉・豆腐と煮込む。汁ごと入れると味が決まります。
- キムチチャーハン…水気を軽く切ってから炒めると、べたつきません。
いずれも、キムチの汁を捨てずに使うのがコツです。薬念の旨みが溶けているので、調味料を足しすぎなくても味が決まります。
保存で気をつけたいこと
冷蔵庫で保存し、取り分けるときは清潔な箸を使ってください。使いさしの箸を戻すと、余計な菌が入って傷みの原因になります。ふたはしっかり閉め、においが移りやすい食品とは離して置くと安心です。
なお、食品成分表では「はくさい・キムチ」として成分値が示されており、野菜を主原料とする漬物として食物繊維やビタミン類を含みます。塩分もありますので、ほかのおかずとの兼ね合いで量を決めていただくとよいと思います。
まとめ
キムチは、時間とともに変わっていく食べ物です。浅漬けはそのまま、食べ頃はごはんと、酸味が出たら火を通して——この3つを覚えておけば、最後まで無駄なくおいしく食べきれます。私たちは大阪・鶴橋で、その日の気温と素材を見ながらキムチを漬けています。漬かり具合の移り変わりも含めて、楽しんでいただけたら嬉しいです。
よくあるご質問
Q.酸っぱくなったキムチは食べられますか?
発酵が進んだ状態です。そのまま食べるより、豚肉と炒める・鍋に入れるなど加熱する料理に回すと、酸味が旨みに変わっておいしく召し上がれます。見た目やにおいに明らかな異常があるときは、無理をせずお控えください。
Q.開けたあとはどれくらいで食べきればよいですか?
商品の表示に従ってください。開封後は冷蔵庫で保存し、清潔な箸で取り分けると、余計な発酵や傷みを避けられます。
Q.汁は捨てたほうがよいですか?
汁にも薬念(ヤンニョム)の旨みが溶けています。炒め物やチゲの味付けに使えるので、捨てずに活かすのがおすすめです。
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参考文献
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